医療現場のアンケートや闘病手記を分析すると、大腸がんと診断された患者の多くが共通して「初期の血便を軽視していた」と告白しています。
都内の消化器内視鏡クリニックで取材に応じた医師は、次のような患者の典型的な行動パターンを語ります。
「40代〜50代の働き盛り世代では、『学生時代から痔持ちだったから、今回も切れ痔だろう』と市販の痔疾用軟膏を使ってやり過ごしてしまう方が非常に多い。半年後に便が細くなり、強い貧血で倒れて検査した時には、S状結腸がんが進行期(ステージIII)に達していたという症例は珍しくありません」
SNSや健康相談掲示板に寄せられる生の声を見ても、「便器が赤くなったが翌日には止まったので安心していた」「痛みが全くなかったため病院に行くのが恥ずかしかった」といった投稿が散見されます。しかし、「出血が止まった」ということは病変が治ったことを意味しません。便の通過時に偶然病変が擦れなかっただけで、腸内の病変自体は着実に増大を続けているのです。