なぜフードが付いている?モロッコ民族衣装の秘密と魅力を徹底解剖

なぜフードが付いている?モロッコ民族衣装の秘密と魅力を徹底解剖

なぜフードが付いている?モロッコ民族衣装の秘密と魅力を徹底解剖とはどのようなものなのか? 専門的な分析を丁寧に紐解いて紹介します。

モロッコの服飾文化を深く理解する上で欠かせないのが、北アフリカの先住民族「ベルベル人(自称:アマジグ)」の存在です。

7世紀にアラブ人がイスラム教を携えて北アフリカに進出するはるか以前から、ベルベル人はアトラス山脈やサハラ砂漠で独自の生活様式を営んでいました。彼らが厳しい自然の中で生み出した毛織物技術や、魔除けの意味を持つ幾何学模様は、現代のモロッコ衣装の基盤となっています。

特にベルベル女性の婚礼用ブランケットとして知られる「ハンディラ(Handira)」は、羊毛を手織りし、無数のスパンコールを縫い付けた重厚なケープで、寒さから花嫁を守るとともに幸福を祈る象徴として受け継がれてきました。

15世紀末にスペインのアンダルシア地方から逃れてきたイスラム教徒やユダヤ教徒の職人集団(モリスコ)が持ち込んだ高度な金銀刺繍技術が融合したことで、素朴な山岳民族の織物文化は洗練された宮廷衣装へと昇華しました。素朴さと豪奢さという相反する魅力が同居している背景には、こうした幾重もの歴史のレイヤーが存在しています。

中川 明日香
著者

中川 明日香

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。