全日本美容業生活衛生同業組合連合会などの業界動向を見ても、サロンワークの生産性向上と顧客満足度の向上は重要課題として議論されている。では、現場の美容師や毛髪診断士は滞在時間についてどう捉えているのだろうか。
「お客様を待たせる時間は、薬剤の作用時間ではなく、サロン内のオペレーションロスから生じている場合が少なくない」と、都内人気サロンのトップスタイリストは語る。アシスタントとの連携がスムーズで、アイロン作業を二人がかりで行うツーメイク体制が整っていれば、それだけで30分から40分の時短につながる。
一方で、毛髪診断士は「時間を短くすることだけを目的にした無理な薬剤放置の短縮は極めて危険」と警鐘を鳴らす。髪のpHコントロールや中間水洗を雑に行うと、後々の深刻なビビリ毛や切れ毛を引き起こす原因になるからだ。信頼できる技術者は、削るべき「無駄な時間」と、決して削ってはならない「安全なプロセス」を明確に区別している。