これまでアニメーションという表現媒体で「光」と「距離」を描き続けてきた新海誠。彼がなぜ今、実写という新たな表現領域に挑んだのか。その答えは、画面の端々にまで徹底された演出意図に現れている。光の反射、雨粒の滴り、風に揺れる葉の音。人間の生身の身体が発する熱量と、自然現象が織りなす偶然のコントラストを捉えるためだった。
監督自身も「アニメーションでは到達できなかった、現実の人間が放つ一瞬の輝きを記録できた」と手応えを語る。新海ワールドの美学が実写と融合したことで、既存のジャンル分けをあざ笑うかのような、全く新しい映像体験が誕生した。