物語の最大の核心であるマーニーの正体、それは主人公・杏奈の実の祖母です。金髪で青い瞳を持つマーニーは、決して遠い異国の幽霊や単なる空想の産物ではなく、幼い頃に他界した杏奈の祖母その人でした。
杏奈は幼少期に両親を事故で亡くし、唯一の身寄りであった祖母(マーニー)に引き取られて育てられました。しかし、その祖母も病弱のため、杏奈が2歳の頃に病気でこの世を去ってしまいます。その後、養母である頼子に引き取られた杏奈は、無意識の奥底に「愛する人に置き去りにされた」という喪失感とトラウマを抱え込み、心を閉ざして生きてきました。
杏奈が療養先で出会った少女姿のマーニーは、「幼い杏奈が祖母から寝物語として聞かされていたマーニーの少女時代の記憶」が、杏奈の強い孤独感と共鳴して心の中に立ち現れた幻影でした。杏奈の手元にあった古い写真立ての記憶、湿地帯の景色、そして無意識に残っていた祖母のぬくもりが重なり合い、あの特別なひと夏を生み出したのです。