ゲームコミュニティにおいて、MOD(Modification)とチート(Cheat)は表面上の挙動こそ「プログラムの書き換え・介入」という共通項を持ちますが、その本質的な出発点と社会的な受容性は対極に位置します。
MODは、ゲームのグラフィック向上、ユーザーインターフェース(UI)の改善、新たなクエストやアイテムの追加など、作品体験の拡張・カスタマイズを主な目的としてファンコミュニティ主導で開発されてきました。例えば『Minecraft』のように、開発元のMojang(マイクロソフト)が「商用利用の制限」や「公式ブランドを騙らないこと」を明記したガイドラインを定め、Modder(制作者)の創作活動を公式に認めているケースが代表例です。
対照的に、チートは「壁の向こうの敵を透視する(ウォールハック)」「自動で照準を合わせる(オートエイム)」「課金アイテムを不正に増殖させる」など、ルールを破壊して自己に不当な優位をもたらす行為を指します。他プレイヤーのゲーム体験を著しく損ない、運営企業のサービス継続を脅かすため、オンラインゲームの利用規約において例外なく絶対禁止事項として明記されています。
法的観点からも、両者には明確な断絶が存在します。私的な改変にとどまる適法なMOD利用とは異なり、オンラインゲームでのセーブデータ改ざんやチートツールの頒布・販売は、日本の法律において不正競争防止法違反(技術的制限手段の無効化・役務提供妨害)や電子計算機損壊等業務妨害罪、さらにはプログラム改変に伴う著作権侵害(同一性保持権の侵害)に該当し、過去にも多数の逮捕者・有罪判決が出ているのが現実です。