現在ステージに立つ3人は、どのようなスタンスで音楽に向き合っているのでしょうか。各メンバーの近況を追うと、単なる「バンドの継続」にとどまらない、一人の生活者としての成熟が音へと結実している様子が見て取れます。
フロントマンの宮崎朝子(Gt.Vo)は、SHISHAMOの全楽曲の作詞・作曲を一手に担う心臓部です。2022年に日本武道館のステージ上でサラリと結婚を発表したシーンはファンを驚かせましたが、その後も創作意欲は衰えるどころか、さらに研ぎ澄まされています。かつて得意とした10代〜20代前半の「もどかしい片思い」を描く視点に加え、日常の摩擦や人間の不完全さを包み込むような奥深い歌詞表現が増加。ライブ現場の目撃談でも、「声の抜け感とピッチの安定度が年々増しており、表現者としての凄みがある」と高く評価されています。
ベースの松岡彩は、2014年の加入時に課された「ベース見習い」という謙虚な肩書を完全に過去のものとし、いまやバンドのグルーヴを支える絶対的な支柱です。宮崎のトリッキーなギターリフと吉川のタイトなビートの間を縫うメロディアスなベースラインは、専門誌やベーシスト仲間の間でも定評があります。愛嬌あるキャラクターはそのままに、ステージ上では卓越した演奏技術でアンサンブルを牽引しています。
そして、ドラムの吉川美冴貴は、バンドの広報的リーダーシップを担いながら、力強いドラミングでSHISHAMOサウンドの骨格を成しています。吉川は2024年に公的なパートナーシップ宣誓制度を利用した事実を公表。自身のアイデンティティや生き方を率直に共有する姿勢は、同世代のリスナーから多大な支持を集めました。互いのプライベートを尊重し、独立した個人として共闘する3人の関係性は、結成15年近くを経過しても少しも揺らいでいません。