空港の現場取材を進めると、利用者の思い込みが招いた痛恨のミスが日常茶飯事のように起きている実態が浮き彫りになります。SNSや旅行コミュニティ、大手相談掲示板には、血の気の引くような体験談が毎日のように書き込まれています。
「タクシー運転手に『羽田のANA国際線まで』と告げたら、長年の習慣で第3ターミナル正面に降ろされた。ロビーのモニターを見ても自分の乗るミュンヘン行きが表示されておらず、案内カウンターで『お客様、こちらは第2ターミナル発です』と告げられた瞬間は心臓が止まるかと思った」というビジネスマンの証言は氷山の一角です。また、「京急線の車内でうたた寝をして第3ターミナル駅で下車。自動チェックイン機にパスポートをかざしてもエラーが出て、係員に確認したところで初めて第2発着だと知った」という家族連れのトラブルも散見されます。
国際線における羽田空港ANAチェックインカウンターの最終締め切りは、原則として出発時刻の60分前、保安検査場の通過締め切りは出発時刻の20分前と厳格に定められています。羽田空港の国内線感覚で「出発40分前に到着すれば何とかなる」と考えていると、ターミナル間を移動している間にチェックインシステムが非情にも自動遮断され、数万〜数十万円の航空券を買い直す羽目に陥ります。