犬が手をなめる理由とは?愛情表現の裏に潜むストレスと病気のリスク

犬が手をなめる理由とは?愛情表現の裏に潜むストレスと病気のリスク

犬が手をなめる理由とは?愛情表現の裏に潜むストレスと病気のリスクに関する気になる情報を徹底的にまとめました。要点を確実におさえることができます。

ネット上の情報や古い民間伝承において「犬の唾液には殺菌作用があるから舐めさせても問題ない」という言説が散見されますが、これは医学的に明白な誤りです。犬の口腔内には多数の常在菌が存在し、人間にとって致命的な脅威となる人獣共通感染症のリスクを孕んでいます。

特に注視すべきは、カプノサイトファーガ感染症リスクです。カプノサイトファーガ属菌(Capnocytophaga canimorsus等)は健康な犬の口腔内に約70〜80%という極めて高い割合で常在しています。健常者が健康な皮膚を舐められるだけであれば重症化する可能性は低いものの、手荒れ、微小な擦り傷、あるいは糖尿病患者や高齢者などの免疫力が低下している層に感染した場合、敗血症や多臓器不全、播種性血管内凝固症候群(DIC)を引き起こし、重篤な後遺症や死に至る事例が国内でも毎年のように報告されています。

また、やめさせようとする際のNG対応として最も現場で警戒されているのが「大声で怒鳴る」「無理やり手を素早く引く」という反応です。犬にとって人間の大声は「一緒に興奮してくれた」という報酬(アテンション)として誤認されるか、あるいは極度の恐怖を与えて別の攻撃行動を誘発します。手を素早く引く動きも、犬の捕食本能・追従反射を刺激してさらに激しく食らいつかせる結果を招くだけです。

高橋 健太
著者

高橋 健太

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。