ブランドイメージが失墜した根源を探ると、長年にわたり大学を牛耳った前理事長・田中英寿氏による密室政治と独裁体制に行き着く。理事長逮捕という前代未聞の事態に発展した所得税法違反事件は、大学におけるガバナンスの完全な崩壊を白日の下に晒した。組織のトップが私腹を肥やし、異論を唱える者を排除する体質が長年放置されていたのだ。
本来であれば、リスク回避や組織統治を研究する学問の知見が本部運営に還元されるべきであった。だが、当時の権力構造において、教学側の声、ましてや新設されて日の浅い学部の提言が本部の意思決定に届く余地など皆無だった。「ガバナンスの欠如」という致命的な欠陥は、学部の教育水準とはまったく別の次元で、大学全体の命運を蝕んでいたのである。