李園を語る上で絶対に外せない絶対的エースが、訪れる客の過半数が注文する「台湾料理李園のトマトタンメン」です。「ラーメンにトマト」という組み合わせ自体は珍しくなくなった現在でも、この一杯が放つ個性と完成度は群を抜いています。
運ばれてきた丼を覆い尽くすのは、大ぶりにカットされた真っ赤なフレッシュトマト、シャキシャキの白菜や豚肉、そして青菜。立ち上る湯気とともに、香ばしいニンニクの香りが鼻腔をくすぐります。ベースとなるのは、豚や鶏ガラから丁寧に引かれた澄んだ塩清湯スープ。そこに炒めたトマトの果肉から溢れ出す濃厚なグルタミン酸と心地よい酸味が溶け込み、重層的な旨味のスープが完成します。
決してイタリアンのトマトパスタに寄せることなく、あくまで中華鍋で炒め上げた「タンメン」としての骨太な輪郭を保っている点が最大の妙味。歯切れの良いストレート細麺がスープと果汁をしっかり持ち上げ、すする手が止まらなくなります。「酸味と塩気、ニンニクのパンチが奇跡的な調和を見せている」と評されるこの味は、他店では決して再現できない李園の真骨頂です。