日本語には「責任を取って辞任する」慣用句として「詰め腹を切らされる」という表現があるが、指詰めと詰め腹の違いは根本的な結末にある。
「詰め腹」の語源は武士の切腹(自決)であり、「自らの命を絶つことで名誉を守り、責任を完結させる」行為を意味する。一方で「指詰め」は、肉体の一部を代償として差し出すものの、「生きて組織に残り続けること」を大前提としている。
命を捨てて組織の看板を守る切腹に対し、指詰めは恥を忍んで生き延び、組織への奉仕を続けるための免罪符であった。この「生かして使役する」という点に、武士階級の美学とは異なる博徒・裏社会特有の実利主義が色濃く反映されている。