1986年10月、「深呼吸して」でソロデビューを果たした15歳の少女は、またたく間にトップアイドルの座へと駆け上がった。当時は空前のアイドル花盛り。しかし彼女の真価は、おニャン子クラブの解散後にこそ発揮された。歌番組の喧騒から一歩引き、音楽、ファッション、映画、書籍といった幅広いカルチャーへと積極的に足を踏み入れていったのだ。
90年代後半から2000年代にかけて見せた彼女のカルチャーセンスは、極めて先進的だった。まだ広く知られていなかったピラティスをいち早く取り入れ、書籍を通して日本国内に紹介。さらに台湾の魅力的なカフェや古き良き街並みを独自の視点で切り取ったガイド本は、空前の台湾ブームの火付け役となった。単なるタレントの枠を超え、自らの知的好奇心に従って「本当に良いもの」を発掘し提案する目利きとしてのポジションを確立したのである。