患者にとって最大の関心事の一つが「保険が利くのか、それとも自費診療なのか」という金銭的ボーダーラインです。2026年の現行医療制度下においても、日本の公的医療保険には極めて厳密なルールが敷かれています。
保険診療において歯周組織にメスを入れる処置としては「歯肉切除術」などが収載されていますが、これらはあくまで歯周病巣の除去を主眼とした術式です。「最終的に装着する被せ物の維持力を高めるため」「自費のセラミック冠をきれいに装着するため」に行われる本格的な骨切除を伴う歯冠長延長術は、混合診療の禁止原則に基づき、原則として自由診療(自費)の対象となります。例外的に、特定の条件を満たす重度歯周疾患の手術計画内で一部処置が行われるケースもありますが、補綴(被せ物)の精度を突き詰める場合は自費設定を採用するクリニックが主流です。
近年の動向として、CTスキャンデータと口腔内スキャナーを統合し、骨を削る深さを術前に0.1ミリ単位でシミュレーションする「デジタルサージカルガイド」を併用する施設が増加しています。これにより、余分な骨削去を防ぎ、術後の生体侵襲を最小限に抑える治療プロトコルが標準化されつつあります。