東京駅を21時50分に発車する下り「サンライズ出雲」。丸の内のビル群が煌めく夜景を背に、列車は東海道本線を西へ向かって滑り出す。横浜(22:15発)、熱海(23:23発)、沼津(23:39発)、静岡(0:20発)と主要都市を夜陰に紛れて駆け抜けていくダイヤ設定は、金曜の会社終わりにそのまま旅立つビジネスパーソンにとっても絶妙なタイミングだ。
未明の山陽本線を越え、列車が伯備線へと足を踏み入れるころには東の空がゆっくりと白み始める。倉敷を過ぎ、新見や備中高梁の山深い渓谷美を抜け出せば、いよいよ山陰路だ。米子(9:03着)、松江(9:30着)を経て、終点の出雲市駅には午前9時58分に到着。朝一番から観光に繰り出せるこの時間配置こそ、移動と宿泊を兼ね備えた寝台特急最大の強みと言える。