稲村亜美さんの名前が日本中に知れ渡る決定打となったのは、2015年に放映されたトヨタ自動車のウェブCMでした。OL風のスーツ姿で見せた完璧なフルスイングは「神スイング」と命名され、瞬く間にSNS上で拡散。小学校3年生から中学校3年生までの7年間、リトルリーグやシニアリーグで白球を追い続けた本格的な野球経験が大きな脚光を浴びました。
その直後、プロ野球界からのオファーが殺到します。同年8月1日の巨人対中日戦(東京ドーム)前イベントで初登板を果たすと、球速90km/hのストライク投球を披露。以降、単なるゲスト出演にとどまらない「本格派ピッチャー」としての始球式ロードが幕を開けました。
豪快なフォームから繰り出される威力あるストレートは、プロ野球選手たちをも唸らせ、「始球式=エンタメ」という従来の既成概念を覆す存在として唯一無二のポジションを確立していったのです。