「甲斐性(かいしょう)」という言葉のルーツは、古くから使われてきた「甲斐(かい)」にあります。「生き甲斐」「やり甲斐」という表現があるように、行動した結果として生じる価値や効力、頼もしさを意味していました。これが中世以降に変化し、自立して家庭を支える力や、物事を成し遂げる気概を指す言葉として定着した経緯があります。
つまり「甲斐性なし」の本来の意味は、「生きる力や気概が感じられないこと」です。単に会社の給与水準が低いことと、人間としての甲斐性がないことは全くの別問題。どんなに困難な状況でも家族を守ろうと汗を流す人は「甲斐性がある」と評されますし、逆に十分な稼ぎがあっても自分勝手に散財して家庭を顧みない人は、まさに甲斐性なしと断じられます。