かつて日本のドライバーコミュニティでは「赤信号で停止した際、対向車の眩しさを防ぐためにスモールランプに落とすのが粋なマナー」と信じられていました。しかし、この慣習を巡ってSNSや掲示板では激しい議論が巻き起こっています。
ネット上の掲示板やSNSの声を取材・検証すると、ドライバーの意見は完全に二極化しています。
「昭和や平成初期の教習所や先輩ドライバーから『対向車への気配りで消せ』と教わった」「消さない車は威圧的に感じる」というベテランドライバーの主張がある一方で、若い世代や日常的に最新型車を運転する層からは「オートライト仕様だから消すこと自体が難しい」「青信号になった瞬間に点灯し忘れて無灯火発進する車が多くて極めて危険」「消灯と点灯を繰り返すとバッテリーやHID/LEDモジュールに余計な負荷がかかる」といった反論が噴出しています。
警察庁および交通安全協会の公式見解では、「信号待ちでの手動消灯は推奨しない」という方針で統一されています。道路交通法第52条(車両等の灯火)において、夜間に道路上にあるときは原則として灯火をつけなければならないと規定されており、赤信号での一時停止中も「道路上にある」状態に該当するためです。
さらに現場検証データによると、信号待ちで消灯する行為には以下の2つの致命的リスクが実証されています。
第一に、交差点付近を横断しようとする歩行者や自転車から自車の存在が見落とされやすくなる点です。第二に、青信号での発進時にヘッドライトの再点灯を忘れ、そのまま市街地を無灯火で走行してしまうヒューマンエラーの発生率が、常時点灯車の約4.3倍に跳ね上がるという調査結果が出ています。