本作に収録された5曲(LP盤オリジナル構成)のうち、実に4曲がコルトレーン自身のオリジナル楽曲です。ハードバップの枠組みを踏まえつつ、のちのモードジャズや独自の音楽理論へと至る萌芽が随所に散りばめられています。
1. ブルー・トレイン(Blue Train)
アルバムの幕を開ける重厚なマイナー・ブルース。哀愁を帯びた3管のテーマリフが印象的で、重量級の機関車が力強く走り出すかのような推進力を持ちます。コルトレーンの堂々たるソロに続き、リー・モーガンの若さ弾ける情熱的なソロが楽曲を最高潮へと導きます。
2. モーメンツ・ノーティス(Moment's Notice)
高速で目まぐるしく変化するコード進行を特徴とする、ジャズ史上屈指の名曲・名演です。カーティス・フラーの躍動的なトロンボーンとコルトレーンの流麗なフレージングが光り、のちの代表作『ジャイアント・ステップス』へ繋がる高度な転調技法がすでに確立されている点も見逃せません。
3. ロコモーション(Locomotion)
ドライヴ感あふれるアップテンポの44小節ブルース。ドラムのフィリー・ジョー・ジョーンズとの白熱した掛け合い(トレード)が繰り広げられ、各プレイヤーの卓越したテクニックが存分に堪能できる爽快なナンバーです。
4. アイム・オールド・ファッションド(I'm Old Fashioned)
本作唯一のスタンダード曲(ジェローム・カーン作曲)。急速調のナンバーが続くなかで、コルトレーンのリリカルで優しい一面が際立つ珠玉のバラードです。メロディを慈しむようなテナーの音色が深い余韻を残します。
5. レイジー・バード(Lazy Bird)
タッド・ダメロンの名曲「レディ・バード」のコード進行をベースに再構築された爽快なハードバップ。洗練されたテーマアレンジと、ケニー・ドリューの軽快なピアノソロが光る名曲です。