なぜ、一世を風靡したマックスむらいは一時「オワコン」と揶揄されるに至ったのでしょうか。その背景には、個人の力量を超えた「スマートフォンアプリ市場の成熟」と「プラットフォームアルゴリズムの激変」という二重の構造的要因が存在します。
2013年から2015年にかけて、ガンホー・オンライン・エンターテイメントが手掛けた『パズル&ドラゴンズ』は空前の社会現象となり、村井氏の公式生放送での降臨チャレンジは同時接続数十万人を記録しました。動画を投稿すれば即座に100万回再生を超える熱狂の渦中にあり、AppBankは2015年10月に東証マザーズ(現グロース)への新規上場を果たします。しかし、この栄光の構図そのものが、後の急減速の引き金となりました。
第一の要因は、「パズドラ依存」からの脱却の遅れです。ゲーム自体のインフレ化や成熟に伴い、ユーザーの熱量は自然減衰のサイクルに入りました。第二の要因は、YouTubeにおける動画スタイルの変化です。当時台頭したはじめしゃちょーやヒカキンらによるテンポの速い企画系動画、さらには新たなゲームタイトルに特化した新興YouTuberの乱立により、旧来のオフィス型実況スタイルは急速にシェアを奪われました。さらに、AppStoreの規約改定に伴うメディア事業の収益低下が重なり、AppBankは深刻な業績低迷に直面したのです。
ネットコミュニティは、熱狂の反動として激しいバッシングを浴びせる習性があります。再生数の減少を「オワコン」と断罪する言説が5ちゃんねるやSNS上で増幅され、全盛期の輝きを知るファンほどその落差を強調して語るという悪循環が形成されました。