消費者の不信感を決定づけた契機として外せないのが、水素水国民生活センターによる徹底的な商品テストと行政公表です。同センターが市販のパウチ製品やアルミ缶、ペットボトル製品、さらに携帯型生成器を買い取り調査した際、衝撃的な実態が白日の下にさらされました。
テスト対象となった一部の製品において、パッケージに高濃度を謳いながら、実際には「溶存水素が全く検出されなかった」「充填直後から急速にガスが抜けて普通の水になっていた」事例が複数確認されたのです。水素は宇宙で最も小さく軽い気体であるため、一般的なペットボトルのプラスチック分子の隙間を容易にすり抜けて空気中へ逃げてしまいます。
現在、業界団体が設定する水素濃度基準としては、充填時または出荷時でおよそ1.0ppm(mg/L)以上を一つの目安としています。飽和溶存濃度は約1.6ppm(常温常圧)と物理的な上限値が決まっており、それを大幅に上回る数値を掲げる製品には物理学的な疑義が生じます。消費者が手にする段階で十分な濃度が維持されているかどうかが、現在も製品選びの最大の関門となっています。