ショート動画のBGMとして消費される音楽が主流となった現代において、彼の提示するアルバム志向の作品群は、明確なアンチテーゼとして機能している。1曲3分に満たない楽曲が量産される中、彼はじっくりと時間をかけて世界観を構築する。タイパ(タイムパフォーマンス)を重視する若者たちが、逆に彼の重厚な世界観に惹きつけられているのは興味深い現象だ。
流行を追うのではなく、流行の側が彼を追いかける。この関係性が崩れない限り、彼の音楽が色褪せることはないだろう。安易な共感を拒絶するような孤高のスタンスが、かえって現代人の孤独に深く寄り添う結果となっている。