なぜ悟空の白黒イラストは胸を打つのか?鳥山明の圧倒的画力と作画術

なぜ悟空の白黒イラストは胸を打つのか?鳥山明の圧倒的画力と作画術

なぜ悟空の白黒イラストは胸を打つのか?鳥山明の圧倒的画力と作画術について押さえておきたい 理由を厳選して解説いたします。

単行本のページをめくった瞬間、視線が一瞬で悟空へと誘導される——その体験の根底にあるのは、鳥山明先生が極めた白黒原画における光と影の設計です。一般的な漫画表現ではトーン(網点)を多用して陰影を表現することが多い中、鳥山先生のドラゴンボールのモノクロイラストは、極めて少ないトーン処理と大胆な「ベタ塗り」だけで驚くべき質感と奥行きを描き出しています。

特に注目すべきは、線の「太さの緩急」と「空間の抜け感」です。悟空の道着のシワ一つをとっても、肉体の動きに沿って力強く引かれた主線と、細く繊細な影の線が明確に使い分けられています。黒と白という究極の2色構成だからこそ、見る側の脳内で光の強さや風の動き、立ち上るオーラの熱量までもが鮮明に補完され、カラーイラスト以上のリアリティと迫力を生み出すのです。

井上 凛
著者

井上 凛

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。