かつては死骸や漂着個体でしか確認できなかったダイオウイカですが、日本の研究チームがその生きた姿を世界で初めてカメラに収め、歴史的な快挙を成し遂げました。
国立科学博物館の窪寺恒己名誉研究員らのチームは、マッコウクジラが集まる小笠原諸島沖の深海域に着目。2012年7月、NHK取材班やディスカバリーチャンネルとの共同学術調査において、潜水艇から水深630mの深海を遊泳する生きたダイオウイカの姿を世界で初めて鮮明にハイビジョン撮影することに成功しました。この映像は『NHKスペシャル 深海の超巨大イカ』として放映され、世界中に大きな衝撃を与えました。
当時の調査手記や映像記録からは、これまで「不活発に漂っているだけ」と考えられていたダイオウイカが、金色の光沢を放ちながら力強く触腕を伸ばして餌にアタックする俊敏なハンターであることが判明。国立科学博物館で開催された特別展「深海」でも実物標本が公開され、海洋ファンの知的好奇心を大いに刺激しました。