SNSや自動車コミュニティ、Yahoo!知恵袋などで定期的に話題となるのが「軽自動車にハイオクを入れたら速くなった」「燃費が劇的に向上した」という言説です。この都市伝説の真偽について、自動車整備士の現場証言と工学的データから検証します。
結論から言えば、一般的なレギュラー仕様の軽自動車(NA・自然吸気エンジン)にハイオクを入れても、最高出力が向上したり加速が鋭くなったりすることは物理的にあり得ません。エンジン側の圧縮比やECUの制御プログラムがレギュラーに最適化されているため、オクタン価の高い燃料を使っても燃焼圧力自体は変わらないからです。
現場の整備士やディーラーメカニックの間では、ユーザーが「速くなった」と感じる背景について次のように分析されています。
「ハイオクを入れた直後に『走りが軽快になった』と感じるドライバーの多くは、清浄剤によって長年蓄積していたインジェクターのデポジットが除去され、新車時の適正な燃料噴霧状態に近づいた結果を体感しているケースが多いです。パワーアップしたのではなく、本来の性能に『回復』したというのが正確な表現です。」(都内大手ディーラー整備主任の証言)
ただし、近年の直噴ターボエンジンを搭載した軽自動車や一部のコンパクトカーにおいては、真夏の炎天下やエアコン全開走行時など、極めて熱負荷の高い環境下でノック補正によるパワーダウンをハイオクが防ぎ、「結果的に走りのもたつきが解消される」という限定的な恩恵が現れるケースは報告されています。