子なし夫婦の相続は、子どもがいる世帯よりも複雑化しやすい特徴があります。夫または妻が亡くなった場合、配偶者が全財産を相続できるとは限りません。親がすでに他界している場合、法定相続人は「配偶者」と「亡くなった側の兄弟姉妹(甥姪)」になります。
自宅不動産や預貯金の分割を巡り、疎遠だった義理の兄弟から遺留分の主張や遺産分割協議を求められ、住み慣れた自宅の売却を余儀なくされるケースすらあります。このリスクを完全に遮断する唯一の手段が、「公正証書遺言」の作成です。「全財産を配偶者に相続させる」旨の遺言書を相互に遺しておけば、兄弟姉妹には遺留分侵害額請求権がないため、財産トラブルを未然に防ぐことができます。
また、一人暮らしになった後の孤独死リスクを低減させるには、スマート家電を用いた見守りサービスや、自治体の安否確認ネットワークの登録が効果的です。民生委員や近隣住民との適度な挨拶関係を築いておくことも、日常の安全網として機能します。