ナポリピッツァの骨格を決定づけるのは、イタリア・ナポリの老舗製粉会社カプート(Mulino Caputo)のマニトバ粉や「サッコロッソ」「サッコーブルー」といった高品質な小麦粉だ。胚乳の中心部のみを丁寧に挽いたクラシコな小麦粉は、熱に強く、長時間の低温発酵に耐えうるしなやかなグルテン網を形成する。
そして、その生地を焼き上げる主役こそが薪窯ナポリピッツァの神髄であるドーム型の薪窯だ。ブナやナラなどの広葉樹が放つ遠赤外線と直火の対流熱が、投入された生地を一瞬で膨らませる。外側はカリッと香ばしく焦げ目(レオパード柄)がつき、中は水分を抱え込んだまま羽毛のように軽い。水分量およそ65〜70%にコントロールされた門外不出の加水比率と、24時間から48時間に及ぶ長時間発酵が生み出す消化の良さこそ、本場の一枚が胃にもたれない最大の理由である。