主催者側である『現代用語の基礎知識』選考委員会は、公式発表において選考理由を「待機児童問題の深刻さを世に知らしめ、行政や国を動かした切実な声の象徴である」と説明しました。社会を動かした言葉に光を当てることが流行語大賞の本来の役割であるという主張です。
しかし、この選考ロジックに対して真っ向から異を唱え、世論の圧倒的な支持を集めたのが、5児の父親としても知られるタレントのつるの剛士氏でした。つるの氏は自身の公式Twitter(現X)上で、次のように率直な心情を吐露しました。
「『保育園落ちた日本死ね』が流行語大賞に選ばれましたが、とても悲しい気持ちになります。『死ね』という言葉が公の場で流通し、それを大人が評価してしまう社会ってどうなんでしょうか」
この投稿は瞬く間に数万件のリツイートを記録し、多くの保護者層や教育関係者から「まさにその通り」「子供に『流行語だから使っていい』と誤解されたらどうするのか」といった共感の声が怒涛のごとく寄せられました。
一方で、一部のリベラル派論客やジャーナリストからは「待機児童という構造的暴力に対する弱者の告発を、言葉狩りで抑圧するのか」「言葉の品位よりも問題の深刻さを直視すべきだ」という反論も上がり、ネット上は完全に二分された激しいイデオロギー闘争の様相を呈しました。この対立の中で、選考委員会に対する「政治的偏向批判」が噴出し、「左派的な政治的主張を通すために、あえて下品な暴言を顕彰したのではないか」という疑念が審査員個人にまで向けられる事態へと発展したのです。