実際に空席が目立つ現場では、どのような光景が繰り広げられているのでしょうか。大手イベンター関係者は、現場の過酷な実情を次のように明かします。
「最も深刻なのは、チケットの売れ行きが想定の半分程度に留まったアリーナ公演です。ステージ正面のスタンド席やアリーナ後方に広大な空間ができてしまうため、暗幕で隠す客席の現状が恒常化しています。2階スタンドの上段すべてに巨大な黒い幕を張り巡らせ、照明演出で暗く落とすことで、アーティスト本人やステージ前方のアリーナ席からは空席が見えないよう取り繕うわけです」
しかし、高額なチケット代を支払って会場に足を運んだファンの目は誤魔化せません。X(旧Twitter)などのSNSやネット掲示板では、発券された座席が実質的な最後列であったことや、会場に入った瞬間に視界へ飛び込む異様な暗幕の多さに対する客席ガラガラのネットの反応が相次いで投稿されています。
「楽しみにしていたのに、会場の後ろ半分が真っ黒な幕で覆われていて切なくなった」「周囲が空席だらけで歓声もまばら。アーティストが必死に煽っている姿を見るのが辛かった」といったリアルなファンの落胆の声は瞬く間に拡散され、公演のクオリティとは別の部分でネガティブなイメージが定着してしまうという二次被害を生んでいます。
特に東京ドームや京セラドーム大阪といった5万人規模の会場におけるドームツアー空席問題では、本来開放されるはずのバルコニー席や上段スタンドが完全に閉鎖され、見切れ席や注釈付き指定席の名目で集約されるケースも報告されており、関係者の苦悩が窺えます。