労務行政研究所などの調査データによると、日本の上場企業の約4〜5割が55歳前後で役職定年制度を設定しています。昭和46年生まれが2026年に直面している最もシビアな現実が、この役職離脱に伴う待遇と役割の変化です。
公的調査や人事コンサルティング会社の統計資料によれば、役職定年を迎えた社員の年収は平均して20%〜40%程度減少します。管理職手当の消滅や基本給テーブルの変更により、手取り収入が目に見えて落ち込む一方で、子どもの大学学費や親の介護費用がピークを迎える「収支のデッドクロス」に悩む声がSNSやキャリア相談の現場で頻出しています。
大手メーカーで部長職を務め、今年役職を降りた55歳の男性は、自らの手記で次のように胸中を明かしています。
「昨日まで決裁権を持ち、指示を出していた部下が自分の上司になる。頭では制度だと理解していても、朝の会議で発言を控える瞬間に胸の奥が痛む。孤独感とどう折り合いをつけるかが毎日の課題です」
一方で、管理業務から解放されて専門性を活かしたプレイング業務に集中できる点や、副業・地域活動へシフトする自由度を得られる点に活路を見出す人も増えています。肩書への執着を手放せるかどうかが、55歳以降の精神的ウェルビーイングを大きく左右しています。