制作現場における音作りの神髄は、劇伴・音響演出の調和にある。音楽と効果音が衝突する場面では、どちらを優先すべきかの絶妙な引き算が求められる。清水道の独占取材記事として本誌が迫ったのは、その緻密な音響設計の裏側だ。
彼が明かした秘話によれば、緊迫した室内劇においてあえて劇伴(BGM)をすべて削り、わずかな部屋の鳴り(ルームトーン)と時計の秒針音だけを強調する手法をとったという。「無音に近い静寂の中に微細なノイズを置くことで、観客は息をのむ。音が聞こえない瞬間こそ、実は最も計算された音響演出なんだ」と笑う。この音の空間デザインこそが、作品全体を支配する空気感を生み出している。