1982年、あどけなさと憂いを帯びた「スローモーション」で鮮烈なデビューを飾り、続く「少女A」で時代の反逆児として強烈なインパクトを焼き付けた。そして1986年の「DESIRE -情熱-」で日本のポップカルチャーの頂点を極めた彼女の軌跡は、昭和歌謡の黄金期そのものであった。
しかし、現在の彼女が歌うこれらの代表曲は、かつての派手なアジテーションとはまったく異なる質感を持つ。キーを落とし、アコースティックな編成で再構築されたセルフカバーでは、ハスキーで艶のある低音が際立ち、歌詞の一節一節が人生の告白のように響く。かつてのヒット曲を自ら解体し、現在の命を吹き込むその姿は、歌謡曲を普遍的なアートへと昇華させる試みといえる。