本作の持つ幻想的な空気感を決定づけたのが、誠人と静流が写真を撮り合った美しい「立ち入り禁止の森」です。この象徴的なロケ地は、長野県上田市に位置する菅平高原の湿原・池周辺および山梨県内の森林で撮影されました。水面に揺れる光と青々とした木々のコントラストは、新城毅彦監督の徹底したカラーマネジメントによって、まるで一枚の絵画のような質感を生み出しています。
また、二人が通う大学のキャンパスシーンは、東京都豊島区の立教大学池袋キャンパスなどでロケーションが行われました。歴史を感じさせる赤レンガ校舎や緑豊かな中庭は、静流が初めて誠人に声をかける横断歩道のシーンとともに、2020年代となった現在でも「聖地巡礼」に訪れる映画ファンが絶えません。自然光を巧みに利用したこれらのロケ地選定が、CGに頼らない永遠の質感をもたらしています。