フィギュアスケートという競技において、小柄であることは決してハンデキャップだけではありません。むしろ宇野昌磨の場合、158cmという体格が世界屈指の強みへと昇華されていました。
第一に挙げられるのが回転モーメントの小ささです。身長がコンパクトであるほど体の回転軸が細くなり、4回転フリップや4回転ループなどの超大技を跳ぶ際に空中での回転スピードを爆発的に高めることができます。
第二に、驚異的な低重心と股下の筋肉量です。宇野昌磨のスケーティングは深く沈み込むクリムキンイーグルに象徴されるように、リンクギリギリまで膝と足首を倒し込む柔軟性と強靭な大腿四頭筋に支えられています。体重約55kgの引き締まった肉体には無駄な脂肪が一切なく、鍛え上げられた筋肉が衝撃吸収と爆発的な反発力を両立させていました。