デビュー曲「箱根八里の半次郎」が大ヒットを記録した当時、彼は「演歌界のプリンス」として日本中のお茶の間に親しまれた。伝統的な着物姿と爽やかな笑顔で歌謡曲ファンを虜にしたが、キャリアを重ねる中で内に秘めたアーティストとしての欲求は、より多角的な表現へと向かっていく。
その象徴となったのが、アーティスト名「KIINA.」(キィナ)の誕生だ。ありのままの自分を表現するための名義として提示されたこの名前には、演歌歌手という固定観念から解き放たれ、より自由で普遍的なアーティストとして生きる決意が込められている。枠にとらわれない柔軟なスタンスは、長年のファンだけでなく新たな層の心も掴んで放さない。