彼の頬と舌に刻まれた「蛇の目と牙」の呪印。これは単なる一族の紋章ではなく、古代の呪詛師たちとの凄惨な闘争の歴史を物語る証である。狗巻家は歴史上、あまりに危険すぎる術式ゆえに呪術界の表舞台から疎外され、その血統を密かに繋いできた経緯を持つ。
幼少期から「意図せず人を呪ってしまう」リスクを抱えて育った彼は、他者と距離を置くことを余儀なくされた。その孤独な過去があったからこそ、同じように異常な力に苦しむ仲間たちの痛みを誰よりも理解できたのだ。呪いという負の遺産を受け継ぎながらも、それを誰かを守るための力へと昇華させた生き様は、本作のテーマである「生と死、そして救済」を象徴している。