売り場に立つ船木の姿を見れば、誰もが驚く。有名人ぶった素振りは一切なく、手際よくパイを袋に詰め、お釣りを選び、一人ひとりの目を見て「ありがとうございます」と声をかける。サインや写真撮影にも気さくに応じるその姿勢は、まさに神対応そのものだ。
「長野五輪のとき、テレビの前で応援していました」「子どもがジャンプを始めました」といったファンの声援援に、彼は嬉しそうに耳を傾ける。買い手は美味しいパイを手に入れ、売り手は若手支援の資金を得て、ファンはヒーローと直接触れ合う。そこには、現代のデジタル社会が忘れかけていた温かな人間模様が存在している。