この前代未聞のプロダクトを生み出したのは、ヒップホップクルー「CreativeDrugStore」のメンバーとしても知られるプロデューサー・DJのdoooo(ドゥー)氏です。音楽クリエイターとしてビートを刻む同氏が、なぜ「人肉」という強烈なモチーフに辿り着いたのでしょうか。
発端は2017年にリリースしたソロアルバム『PANIC』のプロモーションでした。自身の愛機であるサンプラー「MPC」に人間の皮膚を移植したかのような「人肉MPC」を特注で制作し、ミュージックビデオに登場させたところ、国内外のアーティストや音楽ファンの間で凄まじい反響を呼びました。「日用品や機械と人体が融合した世界観を、もっと身近なスケールで持ち歩きたい」という着想から、2019年にパーソナルプロダクトとしての小銭入れが誕生することになります。
doooo氏は現在、合同会社として「人肉アイテム MOTHER(MOTHER FACTORY)」を立ち上げ、本格的な制作・販売を展開しています。2022年には世界的なホラー漫画家・伊藤潤二氏の名作『富江』と正式コラボレーションを果たし、原作単行本の表紙に描かれた妖艶な口元を忠実に立体化した「富江の人肉小銭入れ」を発表。サブカルチャーとファインアートの境界線を破壊するアプローチとして、現代美術界からも熱い視線を浴びています。