「忍たま=子供向けアニメ」という認識のまま劇場を訪れた観客は、幕が上がった瞬間に良い意味で期待を裏切られます。忍ミュが15年以上にわたり熱烈な支持を集める人気の理由は、徹底してリアリズムを追求した泥臭くも華麗な殺陣と、原作の持つダークな忍者社会のリアリティにあります。
主役として舞台を牽引するのは、アニメでは頼もしい先輩として描かれる忍術学園の「六年生」たちです。彼らはまだ15歳の多感な少年でありながら、卒業後はいつ命を落としてもおかしくない戦国の忍び行脚へと身を投じる過酷な宿命を背負っています。舞台上では、自らの武器である「鉄双節棍」「苦無」「宝録火矢」「鉤縄」などを実際に操り、息を呑むような近接戦闘が繰り広げられます。
「殺陣の手数が多く、役者の呼吸や汗が客席まで直接伝わってくる」——これは長年通い続ける観客の手記に共通する所感です。単なるキャラクターの再現にとどまらず、身体表現の極限に挑むキャスト陣の気迫が、劇場全体に濃密なカタルシスを生み出しています。