インターネット上の旅行コミュニティやSNSで頻繁に交わされる質問のなかに、「赤福氷は持ち帰り(テイクアウト)できるのか?」というものがあります。この疑問に対する結論は、「原則として長時間の持ち帰りや地方発送は一切不可能」です。
極薄に削り出された繊細な氷質と、常温で柔らかさを保つ特製餡の性質上、保冷バッグやドライアイスを用いたとしても数十分以内に構造が崩壊してしまいます。過去にごく一部のイベントや特定店舗でカップ形式の即時喫食テイクアウトが試みられた事例はあるものの、自宅へのお土産や宿泊先へ持ち帰るためのパッキング販売は行われていません。赤福氷は「その場の席で削りたてを食す」ことのみを前提に設計された一期一会の甘味です。
もう一つの重大な盲点が売り切れ時間に関する誤解です。「百貨店や茶屋の閉店時間(18時〜20時頃)までに行けば食べられるだろう」と油断していると、注文終了の札を前に茫然とすることになります。
特に7月中旬から8月下旬の猛暑期や連休中、現場では「氷そのものの残量」ではなく「1日に仕込む特製餡と餅の限界量」によってオーダーが打ち切られます。店舗のキャパシティを超えた場合、15時〜16時前後に受付終了となるケースが頻発しています。観光の締めに赤福氷を組み込むのではなく、旅程の前半から中盤にかけて配置するのが失敗を避ける現実的な防衛策です。