尋常性白斑の治療効果を最大化するためには、発症初期の段階で正しく見極めることが極めて重要です。初期症状としては、米粒大から小豆大の白濁した斑点(不完全脱色斑)が現れ、自覚症状である痒みや痛みがほとんどないため、日焼けの後などに偶然気づくケースが大半を占めます。
尋常性白斑は、臨床的に大きく以下の2つのタイプに分類され、治療方針や予後が大きく異なります。
- 非分節型白斑(全体の約84%):全身型とも呼ばれ、手足の先端、顔面(目の周りや口元)、関節部などに左右対称に現れやすいのが特徴です。年齢を問わず発症し、慢性的にゆっくりと、あるいは段階的に拡大を続ける傾向があります。
- 分節型白斑(全体の約15%):皮膚の神経支配領域(デルマトーム)に沿って、身体の片側だけに限定して急速に広がるタイプです。10代〜20代の若年層に多く、一度進行が止まるとそれ以上広がりにくい反面、毛根の色素幹細胞まで破壊されやすいため毛髪が白髪化しやすい特徴を持ちます。
臨床の現場で最も混同されやすい類似疾患との識別ポイントを整理しました。カビの一種が原因で生じる「癜風(でんぷう)」は表面に細かいカサつき(鱗屑)があり、擦ると粉を吹くことで鑑別できます。また中高年に多発する「特発性滴状色素減少症(老人性白斑)」は手足に数ミリの白い点状斑が散在するもので、それ以上大きく融合することはありません。
皮膚科の診察室では、特殊な紫外線(波長365nm)を照射する「ウッド灯検査」や「ダーモスコピー」を用いることで、肉眼では捉えきれないメラニンの減少度合いや潜在的な病変部を瞬時に判別します。