今年注目の企画として開幕した「昭和レトログラフィック展」は、連日多くの来館者で賑わっている。高度経済成長期の熱気や、大正浪漫の余韻を残す昭和初期の作品まで、時代ごとに整理された展示は圧巻の一言だ。
薄暗いギャラリーに浮かび上がる微細な印刷表現。わずか数センチ四方のキャンバスに描かれたアール・デコ調のフォントや、コミカルなイラストレーションの数々は、現代のプロダクトデザインが見失いがちな温もりと遊び心に満ちあふれている。昭和レトロという言葉だけでは括りきれない、当時の絵師たちの気概がガラス越しに伝わってくる。