ショーケースに並ぶスイートポテトは、どれ一つとして同じ形をしていない。長さ20センチ、重さにして500グラムを超える個体も日常茶飯事だ。この規格外のサイズ感は、単なる奇をてらった演出ではない。本物のサツマイモの皮を丸ごとボート型の台座として再利用し、丹念に裏ごしした芋のペーストを限界まで盛り付けるという、創業以来の手法を守り続けているからに他ならない。
1972年、創業者の熊谷健氏が十勝の地で洋菓子製造業を立ち上げた際、着目したのは素材本来の素朴な力強さだった。北海道産の新鮮なバター、上質な生乳、そして厳選されたサツマイモを絶妙な比率で練り合わせ、底にはカスタードクリームを薄く敷き詰める。仕上げに卵黄を塗り、オーブンでじっくりと焼き目を付ける。株式会社クランベリーへと社名を変えた今も、機械化に頼り切らない手作業の温もりが、滑らかな口どけと豊かなコクを支えている。