イギリスの正式名称である「グレートブリテン及び北アイルランド連合王国」は、地理的区分である「島」の名前と、政治的統合の歴史をそのまま反映した名称です。英語の公式表記では「United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland」となり、外交文書や国連などの国際機関ではこの名称が厳格に用いられます。
この名称がこれほどまでに長い理由は、単一の民族が一つの国家を築いたのではなく、独立した歴史と主権を持つ複数の国が段階的に合邦(同君連合・国家統合)を繰り返してきた歴史的経緯にあります。
歴史を遡ると、まず1707年にイングランド王国とスコットランド王国が統合し、「グレートブリテン王国」が誕生しました。その後、1801年に隣のアイルランド王国を併合して「グレートブリテン及びアイルランド連合王国」へと拡大します。しかし、20世紀に入るとアイルランド南部が独立戦争を経て「アイルランド自由国(現アイルランド共和国)」として分離独立しました。
その結果、北部6州のみが連合王国に残留することとなり、1927年に現在の「グレートブリテン及び北アイルランド連合王国」へと公式名称が改称されました。つまり、この長い国名には「グレートブリテン島にある3地域」と「アイルランド島北部の地域」がひとつの主権国家を形成しているという統治の現実が刻み込まれています。