「公正」と「公平」の最大の違いは、正しさの拠り所が「客観的な規律・ルール」にあるのか、それとも「対象への偏りのなさ・バランス」にあるのかという点に集約されます。漢字の構成を分解すると、その本質がより明確に浮かび上がります。
「公正」の「正」は、正しさや正しい理、客観的な道理を意味します。つまり、あらかじめ定められた法規範、社会的モラル、組織の規則などに照らし合わせて、正当かつ公明正大に物事を処理する状態を指します。法的手続きや取引慣行において「公正性」が求められるのは、私的な感情や恣意的な解釈を排除し、誰が見ても疑う余地のない公のルールに従っていることが必須となるためです。対義語としては「不正」「偏頗(へんぱ)」などが挙げられます。
一方、「公平」の「平」は、平らであること、高低や軽重の差がない状態を表します。特定の個人や集団に対して個人的なえこひいき(偏愛・偏見)をせず、どの対象に対しても等しい目線で均等に接する態度が「公平性」です。判断を下す側の主観や利害関係を排し、対象者全員を同じ重みで受け止める姿勢を意味します。こちらの対義語は「偏頗」「不公平」「不当」などです。
類語との比較で見ると、「公明(後ろ暗いところがない)」「正当(道理に適っている)」は公正に近い概念であり、「均等(偏りなく等しい)」「無私(私心がない)」は公平に近い概念と言えます。公正な判断の意味とは「社会規範や確立された基準に合致した揺るぎない裁定」であり、公平な判断とは「関係者の力関係や個人的感情に左右されない偏りのない扱い」を指します。