英語学習者や研究者がエッセイや論文を書く際、段落の頭に無意識に「On the other hand, ...」を置いてしまうケースが後を絶ちません。しかし、このフレーズの根底には「On the one hand(一方では)..., on the other hand(他方では)...」という、コインの表裏を語るような対比構造が存在します。つまり、「同一テーマにおける2つの異なる側面や選択肢」を比較するのが本来の役割です。
例えば、「この新技術は業務効率を高める。他方で、導入コストが高い」というように、同一の事象に対するプラス面とマイナス面を提示する文脈には最適です。ところが、全く関連性のない2つの独立した事実を並べる際や、単に「しかし(However)」と言いたいだけの場面で乱用すると、読者に「なぜこれが表裏一体の話なのか?」という論理的な違和感を与えてしまいます。文章のリズムを整え、意図を正確に伝えるためには、的確な言い換えボキャブラリーの習得が不可欠です。