専門の焼き鳥店に足を運ぶと、一般的な精肉コーナーでは見かけない専門的な部位名称が並びます。鶏1羽からごくわずかしか取れない「希少部位」の正体を知ることで、外食時の楽しみは何倍にも膨らみます。
代表的な希少部位としてまず挙げられるのがせせり(ネック・小肉)です。鶏が首を絶えず上下左右に動かしているため、筋肉が極めて発達しており、もも肉以上の濃厚な旨味と弾力のある歯切れの良さを誇ります。1羽から約40g〜60g程度しか採取できません。
脂好きを虜にするぼんじり(三角・テール)は、尾羽の付け根にある脂腺を包む筋肉です。脂の融点が低く、口に入れた瞬間に上質な甘みが広がるのが特徴ですが、脂壺(あぶらつぼ)と呼ばれる臭みの原因となる黄色い分泌腺を丁寧に取り除く職人技が欠かせません。
さらに通の間で支持を集める希少部位の代表例をまとめました。
- ふりそで(肩肉):胸肉ともも肉の中間のような部位。むね肉のさっぱり感ともも肉の弾力を併せ持ち、肉汁が豊富。
- ソリレス(もも肉の付け根の窪み):フランス語で「愚か者はそれを残す」を意味する最高峰の部位。1羽に2個しかなく、驚くほど柔らかく濃密な旨味を持つ。
- ヤゲン軟骨(胸軟骨):胸骨の先端にあるY字型の軟骨。骨の周りに適度な肉がついており、軽快なコリコリ食感が特徴。
- ハラミ(腹壁・内膜):鶏の横隔膜に相当する部位(鶏に横隔膜はないため腹壁の筋肉)。ホルモンのような強い弾力と独特のジューシーさがある。