彼が掲げ続ける「盆地テクノ」という看板は、単なる自虐的なキャッチコピーではない。京都の宇治から発信されたそのチープで、しかし恐ろしく中毒性の高いエレクトロサウンドは、この10年で劇的な進化を遂げた。最新の機材とAIアシスト技術をあえて皮肉たっぷりに使いこなし、アナログな人間臭さを際立たせる手法は、彼にしかできない芸芸だ。
最近のインタビューで彼は、「テクノロジーが進化すればするほど、僕の音楽は泥臭くなる」と語っている。デジタルプラットフォームが飽和し、誰もが似たようなトラックを作る時代だからこそ、彼の「ズレ」や「違和感」を意図的に配したビートが、耳の肥えたリスナーの心を掴んで離さないのだ。