一方で、このブームの背景には切実な問題もある。手まりの芯となる部分を作ったり、均等に糸を巻き付けたりする作業は、極めて高度な職人技を要する。しかし、現在その技術を持つ職人の平均年齢は70代後半に達しており、後継者不足は壊滅的な状況だった。
そこで立ち上がったのが、3Dスキャンとモーションキャプチャを用いた「手の動きのデジタル化」プロジェクトだ。職人の繊細な指先の動きをデータ化し、AIによる学習モデルとして保存する試みが始まっている。これにより、未経験の若者でも短期間で基本技術を習得できるようになり、廃業寸前だった地方の工房が息を吹き返しつつある。