インターネット上で展開される学歴論争には、情報発信者の偏見や過激な煽りによるミスリードが数多く紛れ込んでいます。真実を見抜くために知っておくべき3つの盲点を提示します。
第一の盲点は、「偏差値35未満=知的能力の欠如」という短絡的な決めつけです。推薦入試(総合型選抜・学校推薦型選抜)の入学者が私立大学全体の半数を超えた現在、多くの私大において一般選抜を受ける層そのものが縮小しています。一般選抜の志願者がごく少数であるために模試データ上の偏差値が「BF」と算出されているだけであり、高校時代の探究学習や課外活動で優れた成果を収めて入学している学生も一定数存在します。
第二の盲点は、「大学の名称だけを理由とした就活の失敗」という他責化の罠です。大手転職エージェントのキャリアアドバイザーは次のように指摘します。「就職が決まらない要因を大学名のせいにする学生の多くは、学生時代に語れる実績や自己分析、業界研究の準備不足が原因であるケースが目立ちます。中堅大学であっても主体的にプロジェクトを動かした経験や、プログラミングや語学などの可視化されたスキルを持つ学生は、引く手あまたで内定を獲得しています。」
第三の盲点は、「Fラン大学は学費が無駄になる」という一律の断定です。自宅から通学可能で学費免除の特待生制度を活用できる場合や、明確に資格取得を目的としている場合、都心の高難易度私大で多額の生活費と授業料を投じるよりも費用対効果(ROI)が高い選択肢となり得ます。問題は大学の難易度そのものではなく、「何を目的として4年間を過ごすか」という投資対効果の設計にあります。